日本では現金払いが一番?キャッシュレス先進国イギリスで考えた

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キャッシュレスで先を行くイギリスで思うこと。

セブンペイの失敗など、最近日本からキャッシュレス・システムに関するニュースがよく入ってきます。

今はイギリス暮らしですが、親の介護や自分の老後で将来は日本に帰ることも視野にいれている身としては、日本のキャッシュレス状況も気になるところです。

でも、何やら日本ではキャッシュレス化がもたついている印象…。個人的には、日本でももっとキャッシュレスが進んでほしい!と願っています。

参考までに、「現金なら確実とは限らない」と思わせられる体験を先日しましたので、その話も書こうと思います。

イギリスではキャッシュレスが(ほぼ)当たり前

デビットカード

デビットカードの使用が当たり前のイギリスでは、気づけば半月くらい現金を使ってないな…と思うのはザラ。

スーパーやガソリンスタンド、レストランはもちろん、個人経営のお店でもほとんどの所で使えます。

長いこと小銭が必要だった駐車チケットも、最近急激に携帯払い(専用アプリ利用)やカード払いできる機械が増えました。

最近では路上での寄付やバスキング(路上や駅で演奏して稼ぐもの)もキャッシュレスで受ける人が出てきていますね。

しかも今はデビットカード自体がコンタクトレスになっています。30ポンド以下の買い物なら、暗証番号を打ち込む必要もなく、機械にかざすだけと非常にスマート。パブで飲み物を買う時や、駅や空港など急いでいる時には、このスピーディさがとっても重宝します。

新聞記事(下記参照)によると、2018年にはデビットカードでの支払いが現金払いの額を越えたそうです。また、現金払いは向こう15年で全ての支払いの10%まで落ち込むことが予想されています。

参照記事 The Guardian ‘Cashless Britain’

余談ですが、デビットカード自体は11歳くらいから持つことが可能です。銀行にもより、多くは18歳以上を推奨しているようですが、子どもの口座はオーバードラフト(自動貸付)機能がないため、シンプルにお小遣いをキャッシュレスで管理しているだけの話。失くす可能性のある現金で持たせるよりデビットを好む親御さんもいるようです。

ちなみにうちの息子(17)はこちらが建て替えたものがあると、少額でもスマホを使ってこちらの口座に振り込んできます。「わざわざ現金を下ろす意味がわからない」と言っています。時代を感じますね…(^^;)。

学校のランチ代や遠足代もキャッシュレス

子供の学校でも、少し前まではランチマネーなどでちょいちょい現金が必要でした(遠足費用などは小切手でも払える)。そのため、時々お店で現金を使って釣り銭をプールしておいたものです。

それが今や、支払いはずべてオンライン。ランチマネーなんて、チャージしておけば「何に使ったか」のデータもオンラインで見られます。

さらに、上の子の学校ではランチマネーの支払いは指紋認証です。これならよその子に使われちゃうこともありません。

このあたりは、数年の間にずいぶん急激に便利になった印象です。

でも現金がなくなるわけではない

とはいえ、イギリスでもまだまだキャッシュは使われています。

それに、現金払いしかできない場合、または現金の方が良いという場合もあります。

前者は、キャッシュレス機器を導入したり、カード会社に手数料を支払うほどの儲けがなかったりする商売。窓拭きや洗車など、ちょっとした仕事をしてくれる人にも普通はキャッシュで払います。また、カーブート・セール(Car Boot Sale)やガレージ・セール、学校や教会のバザーなどはやっぱり現金です。

後者は、個人や小規模の業者さん。直で営業してる時など「現金が良い」と言われることもあります。しっかりした業者さんは、最近は銀行振込が多い感じです。

さらに、親としては子どもにお小遣いをねだられたり、出先で「ちょっとそこで飲み物買ってきて」なんて渡したりする機会も多いので、常に財布にいくばくかの現金は入れています。

日本の特殊さは、外国人には不便すぎる!

海外へ行く際、最も「現金をいくら用意しよう」と悩む行き先が日本。やはり現金社会(Cash Society)なので、多めに財布に入れておかなければと思います。

他の国なら、デビット&クレジットカードだけ持って行けば良いので、気軽です。まったく現地の通貨を持たずに出かけることもしばしば。

少しずれますが、銀行のキャッシュカードにはデビット機能がついています。これは、通貨の違うヨーロッパやアメリカ、中東に行ってもそのまま支払いにもATMの引き出しにも使えました。

海外旅行の際、両替の手間に煩わされずスーパーやレストラン、ホテルで支払いできるのは大きな利点です。それに現金だと、海外のお金って慣れてないからお札でばかり払ってしまい、最後は小銭がジャラジャラ残っちゃいますよね(^^;)。いくらレートの良い両替屋を選んでも、最後に両替不可の小銭がたくさん余っていたら勿体ないです。

実際、まったく現地通貨を持たずに旅行に出ることもあります。

※ただし、アメリカみたいにちょっとしたことでチップを手渡す習慣がある国は別です!キャッシュ持ってないと困っちゃいますよね。

それに、一度「多額の現金を持ち歩かない」生活に慣れてしまうと、財布の中に何万円も入れて歩くだけでハラハラしちゃいます(^^;)。落としたり盗まれたりしたら終わりと思うと、怖いです。

そのため、現金をあまり持たなくても良いように、3年くらい前の里帰り時に一度日本のプリペイドカードを使ってみたことがあります。でも、会社によって使える店・使えない店があるなど面倒過ぎて、一度きりで諦めました。

本当に外国からの訪問客を「おもてなし」したいなら、どこでも海外のデビットカードでスムーズに支払える体制を整えるべきだと思うんですが…。

キャッシュレスより現金払いが確実…とは限らない!その理由とは?

現金は万能ではない…!?

1. イギリスでシステムダウンを経験して

日本でキャッシュレス化が進まないのは、「震災で停電やシステムがダウンした時に困るから」という説をよく聞きます。

ごもっともではありますが、それは非常時に備えて現金を用意しておけば良いだけであって、普段からキャッシュレス方式を避ける理由にはならないのでは…(^^;?

かくいう私は先日、まさにシステムダウンでキャッシュレスが使えないという状況を体験しました。

地元のマクドナルドでしたが、入ったら何やら妙な雰囲気。

実は、カードが使えなくなってしまったので支払いは現金のみで…という状況だったのです。

食事時だったこともあって店内はけっこうな混雑ぶり。ATMを求めて外へ出ていく人もいました。

私は現金を持っていたのでそのまま並んでいましたが、お釣り(8ポンドいくら)は小銭でじゃらじゃら渡されました。

後ろにずらっと並んでいたためすぐに列を離れ、ゆっくりお釣りを数えたら2ポンドほど足りません

でも、申し訳無さそう&テンパっているレジの人と行列を見たら戻って文句を言う気にはなれず、息子と2人「仕方ないね〜」と諦めてしまいました。

この体験からふと思ったのですが、日本でもいざ災害だ!現金で買おう!と思っても、お店にはそんなにお釣り銭は用意されてないのでは…?

コンビニなど、防犯のために必要以上の釣り銭はおかないですよね。想定以上にキャッシュのお客さんが来ても、お釣りが必要な人には売ることができないという事態もおきそうです。

2. ATMもダウンすることがある

現金を手に入れる元は、大抵の人が仕事のお給料かと思います。その際、今では銀行振込が主流ですよね。

普段、必要になったらおろすわけですが、ごくたまに銀行システムそのものがダウンすることがあります。

私の使っている銀行では、かなり昔に一度あったものの、近年は問題ありません。でも、ニュースで他銀行がシステムエラーか何かで使えなくなり、「お金が引き出せない」「取引先に支払いができない」と騒ぎになるのはたま〜に耳にします。

こんな不可抗力なこともあるので、現金=システムエラーとは無縁とは言い難いと感じます。家にいる時で、いくらかタンス預金があれば良いでしょうが、出先で持ち合わせがなくなった時だったら大変ですよね。

現金派であってもキャッシュレス支払いのカードなどを用意し、いざという時に「どう使うんだっけ?」と慌てないよう、時々使ってみると安心かもしれません。

日本のキャッシュレスの問題&改善してほしいポイント!

心理的な抵抗からキャッシュレスを避けている人も多そう

日本でキャッシュレスが進まない理由の一つには、「なんとなく不安」と思って手を出さない人がいることもありそうです。

不安なら情報を集めて払拭すれば良いだけなのですが、印象としては、そのまま思考停止に陥ってしまっている人が多そう。日本で投資がなかなか浸透しないことなどと似た感じがします。

または、キャッシュレスに抵抗を感じる理由が「使いすぎちゃいそうで怖い(←正直、大の大人がこのセリフを吐いているのを聞くたび『私は自己管理ができないんです』と宣言されているようで、違和感を覚えますが…)」というだけなら、チャージ方式にすれば良いですね。

チャージ方式は「今月(今週)のコンビニやランチ用の予算」を入れておけば、簡単に家計管理ができるという利点もありそうです。

思考停止に陥ってしまうと、そこまで考えないのでしょうが…(^^;)。

シニアや判断力が鈍っている方、情報弱者にはヘルプを!

長く自立して生きるために、キャッシュレスも自在に使えた方が便利では

上記でちょっと嫌味なことを書いてしまいましたが、新しいものが苦手なお年寄り(チャレンジ精神が旺盛な方も多いと思うので一概には言えませんが…)など、さまざまな理由でキャッシュレスの利点を享受できない方も多いと思います。

イギリスでも、世間がどんどんキャッシュレスになっていくのに、お年寄りや低所得者の方たちが取り残されていると危惧されています。

こういったことの補助・手助けも生活支援の一貫として行われると、気後れしている方も気軽に買い物に出られるかもしれません。

とにかく、もうちょっと種類を減らしてシンプルにしようよ〜!

でも、もう少しキャッシュレスの種類が少なくて、シンプルだったらトライしてみたいという人は結構いそうです。

この記事を書くのに調べてみたら、Paypay、楽天ペイ、LINEペイ、メルペイ、それに電子マネーの数々など、とにかく数が多すぎる感がありました。

それぞれの会社さんも頑張っているのでしょうが、種類が違うと「A店では使えるけど、B店では使えない」という事態が多く起こります。

これは利用者にとっては複雑で面倒、かつ不便ですよね…。「使えるか使えないか気にしながら買い物するくらいなら、現金で良いよ」という気持ちになるのも分かります。

前述しましたが、イギリスでは支払いのメインはデビットカード。基本的に1枚のカードでどこの店でも使えます。それにネット支払いの主流はデビットまたはクレジットカードかPaypalとシンプルです(加えて、好みでApple Payなど使う人もいます)。

日本でも、利用者の利便性を第一に、1〜2本にまとめてくれたら便利ですよね。

日本のキャッシュレス振興に期待!

今回はキャッシュレスについて、イギリスと日本の違いなど、個人的に思うところを書いてみました。

いろいろ問題もあるでしょうが、日本で現金が信用されているというのは、それだけ他国に比べて偽札が少ないとか、盗難が少ないという、平和な証拠でもあるのかと思います。

しかし、これから先のことは分かりません。

やはりキャッシュレスが一般的になって、いざという時のために現金と併せて持ちながら、誰もがその利便性を享受できるようになると良いですね!

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