イギリスの子供は、チーズが木になると思っている…!?
日本でも、「鮭は切り身の形で海で泳いでいる」と思っている子がいる、という話がありますが、イギリスでも似たような問題があることがわかりました。
British Nutrition Foundation (BNF)の調査で、かなりの数の子供達が、食べ物の本来の姿どころか種類も知らないことが判明したそうです…。
現在っ子は食べ物のルーツがわからない
イギリスにはPYO(PickYourOwn)という、主にイチゴ摘みができるところがあちこちにあります。また野菜を自分で収穫できるファームも。家族づれに人気のアクティビティのはずなのですが…。
しかし、5歳から16歳までの子供27,500人を対象にした今回の調査の結果は、下記のような衝撃的なものでした。
- 5〜8歳児の三割は、パスタやパンが肉から出来ていると思っている
- さらに19%はじゃがいもが地中で育つことを知らない
- 中高生の10人に1人は、トマトは地中に育つと回答
さらなる珍回答も!(以下は年齢不明)
- 5人に1人はベーコンが豚肉であると知らないが、20人に1人はチーズは豚から取れると思っている
- チーズは植物から取れる(野菜!?)と思っている子も
- 5%の子はいちごが冷蔵庫内に生えると思っている
- 28%は人参が地中に生えることを知らない
- レタスが土の上に育つことを知らない子は6割
- 78%はブロッコリーが植物上に生えることを知らない
- フィッシュフィンガーの中身は鶏肉と思っている子も
本当にいちごが冷蔵庫に生えてたら嬉しいですけど…。ブロッコリーが植物でないなら、どうやって育っていると思うのでしょうか。まさか寄生獣…?フィッシュフィンガーに至っては、名前にまでなっているお魚の立場がありません。
普段、口にする食材が少ないイギリス人なのに、基本の食材のルーツがわからないのは困りものですね。これはやっぱり、大人がしっかりしなくちゃいけないですよね…。
なんと、動物の鳴き声も聞いたことがない!?
イギリスでは、ちょっと郊外へいけば羊や牛が放牧されていたり、子供達が遊べるファームがあったりと、一見農業や牧畜への馴染みが深いお国柄に見えます。
しかししかししかし!歴史的に工業国として先陣を切り、今は観光と経済活動の収益に頼っているせいなのか、この大事な第一次産業がないがしろにされている!?と思える調査結果もありました。
- 3人に1人の子供は、リアルに牛や羊が鳴くのを聞いたことがない
- 4分の1の子供は、赤ちゃん羊や牛、豚、鶏の名前を知らない
日本に比べたらたくさんのファームがあるイギリスなのに、意外と鳴き声を聞いたことがないようです。行った時には鳴かなかっただけでしょうか。でも牛なんてよくムームー鳴いてる気がしますけど…。
2番目は、lamb(ラム)やcalf、piglet、chickという単語を知らないということですね。確かに英語の動物の名前は成長に従って変わるので面倒ですが、よく絵本や童謡に登場するので、子供達は自然に覚えるものだと思っていました。日本の子はひよこくらい知ってることを考えると、ちょっとびっくりですね。
笑い事ではない、子供の栄養問題
イギリスの健康ブームの裏で、偏った栄養状態のまま取り残されている子供達がたくさんいることも分かりました。
イギリスでは長らく、
「5-a-day」=1日に5単位の果物か野菜を食べましょう
という啓蒙運動が行われています。1単位は手のひらに乗るくらいの分量で、野菜でも果物でも、また冷凍やジュースになっていてもカウントされます。日本の「1日30品目」に比べたら、とってもアバウトで簡単な目安ですね。
しかし、この簡単な目標も達成できない子が多いのが実情。67%の小学生、81%の中高生が5-a-dayを達成できていないと回答したそうです。
朝ごはんを食べない子が多いのも問題です。小学生8%に始まり、14〜16歳では32%が朝食抜きだとか。このあたりは先進国共通の悩みかもしれませんね。
大人としては、子供達の食の教育もしっかりしなくては!と思わせられる調査結果でした。
参照ニュース http://www.bbc.co.uk/news/education-22730613
http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/shocking-food-survey-reveals-fifth-5809798