ジョンソン首相が、近年稀に見る深刻な健康問題と宣言した新型コロナウイルス(CoronavirusまたはCOVID-19)。
イギリスでも感染者数が800人に届こうとしています(3月13日現在)。
日々感染者の数が増大している印象です。日本のように千人を超える日も遠くはないでしょう。
もはや水際で止めることは諦め、感染拡大のスピードを緩める作戦(Delay、ステージ2)に移ったイギリス。
お国柄、騒がず冷静に対応しようという態度が見て取れますが、状況に合わせて対策方法も日々変わっています。
現在の段階で決まっていること、市井の状況などをまとめました。
【パンデミック宣言】ヨーロッパが第二の感染レッドゾーン!
WHOもついにパンデミックを宣言しましたね。
加えて、感染数が落ち着いた中国に変わり、ヨーロッパが新しいエピセンター(感染の中心地)であるとも発表されました。
アメリカではトランプ大統領がヨーロッパからの渡航者を原則禁止する決定を下しました。
イギリスは入っていないのですが、最も感染者の多いイタリアだけでなく他の国からの渡航者も禁止というかなり思い切った内容です。
大陸であるヨーロッパは一緒くたにされたということなのでしょうが、経済面への悪影響は相当大きいと考えられます。
アメリカでも国内感染が始まっているのに、渡航者を制限したところでどれだけ感染拡大の防止に効果があるのかは疑問ですけどね…。
ヨーロッパではイタリアが完全に活動停止と言えるロックダウン状態に陥っています。
スペインも後を追っている状況。
デンマークやアイルランドでは学校が休みになりました。
アイルランドでは例年、3月17日に聖パトリックデー(St. Patrick’s Day)のお祭りがあります。ダブリンなどの都市部では大きなパレードが開催されるのですが、今年はどうなるか、心配なところです。
ロンドンの聖パトリックデーのパレードは中止が決まりました。
4月26日に開催される予定だったロンドンマラソンも、10月4日に延期が発表されました。
イングランドでは、まだ政府主導でのイベントの中止要請などは出ていませんが、自主的に中止・延期する主催者が増えています。
ラグビーの大きな大会であるシックス・ネイションズの試合も続々と延期になっています(T_T)。
サッカーのFAカップも、最短で4月3日までは試合をしないことになったとか。
スコットランドでは大人数のイベントが禁止になりました。
経済面での打撃は計り知れないものになりそうですね…。
日本からの渡航者のコロナ対応基準が変更に!
イギリスのコロナウイルス対策は、状況に合わせて調整されています。
日本など、コロナの国内感染が確認されている国はカテゴリー2に分類されていました。
カテゴリー2は渡英後14日間、マイルドな症状であっても風邪のような症状があれば外出を控え(自主隔離)、NHS 111に電話する必要がありました。
このルールが3月13日付けで変更になりました。
参照 Gov.uk
まず、国外への渡航歴があるなしに関わらず、自主隔離の期間は一律1週間に短縮されました。
コロナの感染力が高いのは最初の1週間であるという、新しい報告に基づいているそうです。
1週間と2週間では随分違いますね!
自主隔離に入る基準もはっきりしています。
基準は二つあって、一つは高熱、二つ目は咳が続くこと。
そして大きく変わったのが、今までは風邪のような症状があったらNHSに報告が義務付けられていましたが、現在ではその必要がなくなりました。
ただ外出を控え、他の人との接触を避ける必要があります(当然ですが…)。
また、感染しているかの検査も不要。というより、重篤でないと検査が受けられないんですね。
これはNHSの負担を軽くするための処置と思われます。相当忙しいのでしょうね…。
コロナウィルスの検査リストに載ったものの…
私と息子は2月の末に日本から帰ってきた数日後、軽く咳をしたり、鼻水が出たり、喉が痛くなったりと風邪のような症状が出たため、自主隔離に入ってNHSに電話しました。
その際、コロナウイルスの検査を受けるよう指示されましたが、2週間の間とうとう実際の予約は入りませんでした。
自宅で自主隔離をしている間に風邪の症状も治まってしまい、規定の14日が経過したので、息子もまた学校に行き始めました(NHSに再度電話で確認しました)。
一応、息子だけでも学校に戻る前に検査を受けさせてもらえれば、安心ではあったのですが…。
おそらく本当に風邪だったのだと思うんですが、軽い症状で、すでに自主隔離できていたので、検査の優先順位が低かったと思われます。
重篤な人たちが先に検査されなければいけませんから、仕方がありませんね…。
しかし、これからは疑いのある人も基本検査しないということなので、水面下で感染者数がどんどん増えていくことが予想されます。
知らぬ間にかかり、知らぬ間に治っていたという人がどんどん増えていくのでしょうね。
もちろん肺炎など重篤な症状が出たり、症状が1週間以上続いたりという深刻な場合はNHS111に電話して相談できます。
症状に応じて、入院などの措置をとってもらえるはずです。
この場合もGPや病院に直接行くことはなく、まずはNHSオンラインで自己チェックをし、その上で必要なら電話をしろというルールになっています。さすがイギリス、合理的です!
NHSセルフチェックのサイトはこちら!
イギリスでも買い占め騒動中!
日本でもトイレットペーパーなどの買い占めが問題になりましたが、こちらではトイレットペーパーの他、缶詰、パスタ類、冷凍食品などの保存食品の欠品が目立っています。
牛乳はなぜかありますが、私がいつも行くスーパーマーケットでは卵の欠品が続いています。
医薬品も頭痛薬や鎮痛剤などを買い占める人が多いようです。ハンド・サニタイザーは特にありません。
下は今日の夕方に行った時の、パスタの棚の様子の写真です。こんなに空っぽなのは初めて見ました…。
スーパーの棚が空っぽなのは、物がないというよりも、物流や品出しの人の休みが増え、人手が足りないということもあるかもしれません。
コロナかも?と思ったら仕事も学校も1週間休み!でもお給料は?
先日イギリス政府から、コロナのせいで会社を休まなければならなくなった時の最低賃金補填(Statutory Sick Pay)について発表がありました。
通常、病気の際に休む時は8日目からSick Payと言われる賃金保証があるのですが、コロナに関しては1日目から最低賃金が雇い主から払われるということです。
ちなみに1週間で£94.25だそうです 。これは現在のレートで12,500円程度。
この額はヨーロッパの他の国に比べて少なすぎると避難されているようですね。自営業の私からすれば、もらえるだけ良いではないかと思いますが…。
それにあまり良い金額だと、ちょっと風邪っぽいだけでもコロナだと騒いで、無駄に休む人が増えてしまうのではないでしょうか。
そうなると、医療現場はもちろん、食料品などの物流への影響も怖いですよね。本当に食品不足など、深刻な事態に陥ってしまうかもしれません…。
まさかコロナ?と思った時の、イギリスでの対処法まとめ!
日本から来ても、前からイギリス住まいでも、対処方法は一緒かつシンプル。
最後に、もしやコロナか?と心配になった時の対処法をまとめておきます。
- 外出を止め、家族やお客さんとの接触をできるだけ避ける(デリバリーを受け取るのは大丈夫!)
- 症状が長引いたりひどくなったりしたら、NHSのウェブサイトでセルフチェック(重篤な場合はすぐ111に電話)
- セルフチェックの結果に従い、自主隔離を続けるか、111に電話して指示を仰ぐ