【英国コロナ事情】イギリスが停止する日。ロックダウンの理由と今後の展望

スポンサードリンク



イギリスも遂にロックダウン!

昨夜、ジョンソン首相から新型コロナウイルス対策に関する衝撃的な発表がありました。

ついにイギリスもロックダウン決定です。

ロックダウンというのは行動の制限などを指すようで、実質的な外出禁止令にあたるそう。

首相からの重要な発表があるということで、ロックダウンかなと予測してはいましたが、実際に言われるとやはり衝撃でした。

(いろいろ不安が湧いてきて、不覚にもちょっと泣いちゃいました…^^;)

じわじわと進んでいたコロナの影響…

今回のロックダウンは突然のことではなく、政府も徐々に段階を踏んでいました。

学校はその前の週までで休校に。再開の目途は立たず、GCSEやAレベルといった重要な試験も全て吹っ飛んでしまいました。

学校は大混乱です。

今も、大学入学の基準をどうするか調整中ですが、うちの子の学校では先生が「生徒たちが大学入試のために2年間やってきたことが無駄になった」と泣いていたそうです…(><)。

また、飲食店はすべて閉鎖するようにという国からの命令が出たばかり。

それまではテイクアウトだけは営業を続けていたり、各店舗の裁量によって営業を続けていたりとまだ余裕があったのですが、全てのお店が閉まることになったのです。

マクドナルドのが閉まると発表された際、大行列ができたのは、不謹慎ながら笑っちゃいました…(^^;)。

「当分食べられない」と思うと、急に食べたくなるものですよね!

この時代に外出禁止令。その内容は?

Image by Andrew Martin from Pixabay

外出禁止令が出たため、不要不急のものを買いに行ったり、友達や親戚を訪ねたり、 ヘアカットに行ったりといったことは禁止になりました。

パーティはもちろん、結婚式や洗礼式などの集まりも禁止。ただしお葬式は除きます。

しかし完全な閉鎖ではなく、限定的に外出は可能です。

これは他の国も同じですが、完全に家の中にいろということではありません。下記のような制限・行動条件があります。

食品の買い物・運動・必要な仕事はOK!

最低限の食品の買い物の際は外出OKです。

また、1日1回、エクササイズのために外出することも許されています。

運動はウォーキングでもランニングでもサイクリングでも何でもいいそうです。ジムは閉鎖ですが、公園は開かれています。

ただし一緒に行うのは同居の家族のみ。そうでなければ1人で運動しなさいという話です。

仕事もできるだけ在宅にするようにと言う指示ですが、現場に行かなければいけないお仕事の方たちは例外。

医療や介護従事者はもちろん、スーパーマーケットの店員さんやデリバリーの人、 一部のジャーナリストなどは引き続き通勤が許されます。

今、外出禁止令が出た理由とは?

ボリス・ジョンソンはスピーチの中で、『今回の措置で国民の生活や経済活動に大変な影響が出ることは承知している』と言っていました。

それでもロックダウンを発令することになった理由もクリアに説明しています。

(ボリスは好きではありませんが、今回のことに関しては理由がはっきりしていますし、正しい決断だったのではないかと思います)

弱者を守れ!

第一には、なんといっても高齢者や持病のある人たちをウイルスから守ること。

政府やNHSは前から「イベントやパーティなど大人数での集まりを避けるように」「人とは2mの距離を取るように」と訴えています。

それなのに、平気で遊び歩く人が大勢…。

彼らによって感染が拡大し、体の弱い人が犠牲になっている側面があります。

ロックダウン令のもとでは、外で集まりを見つけたら警察が取り締まれるのです。

NHSを助けろ!

第二には、大変なプレッシャーの下にあるNHSを守ること。

NHSには、感染予防のため特別な措置をとらなければいけないコロナの治療にあたって、すでに大変な負荷がかかっているそうです。

そのうえ物資不足も深刻。医療従事者には、まともな防護服すらない状態で治療にあたっている人が多くいます。

また、十分な人工呼吸器もありません。

これ以上患者数が増加すれば、イタリアのように医療崩壊が起きることは確実でしょう。

そうならないよう、患者数に対して人手やベッドが足りるようになるまで、感染者の数を抑えていくことが必須です。

今、各企業は全力を挙げて人工呼吸器や必要な医療用の備品を作っています。

これが十分な数になるまで、なんとか時間を稼がなくてはなりません。

さらに、長時間勤務で頑張っているNHSのスタッフを助けるため、リタイアした医師や看護婦、またメディカルスクールの最後の学年の学生たちが現場に出るよう要請されています。ボランティアも25000人募集すると発表されました。

こういった動的な対策もしていますが、リタイアした人や新規のボランティアには、新たな講習も必要。すぐに人手不足の解消につながるわけではなさそうですよね。

しかし、イギリスでコロナのために亡くなった人は、今日までで422人。

今回のロックダウンは、コロナ対策が待ったなしの危機的状況にあると政府が判断したものと言えます。

ロックダウン一日目の現実は?

Image by Hans Braxmeier from Pixabay

あまり眠れなかった翌朝、食品を買いにスーパーマーケットに行きました。

先週までは相当混み合っていることが多かったのですが、今日は意外と空いていました。

ただし、やはりパスタや缶詰などの棚は空っぽです。トイレットペーパーや卵も全くありませんでした。

これでも私の住んでいるエリアは、それほどひどくはないようなのですが…。

それから犬の散歩。私にはこれが1日1回のエクササイズになりそうです。

時間にもよるのかもしれませんが、いつもより散歩させている人が多くいました。

テレビのニュースによると、首相がここまで言ったにも関わらず、相変わらずロンドンの地下鉄は混んでいたそう。

自宅勤務の人が増えても、電車や地下鉄バスの運行数が減っているので、結局通勤時間は混んでしまうのかもしれませんね…。

見直しは3週間後。厳しくなることもあり得る?

今回のロックダウンについて、状況と照らして内容を変更していくそうです。

目安は3週間とのこと。イースター休暇が終わる頃ですね。

しかし、必ずしも3週間で外出禁止が解除・緩和されるとは限りません。

言うことに従わず、感染を増大させる行動をする人が今後も多いようなら、むしろ厳しくなることもあり得ます。

精神的な影響に懸念…

ロックダウンが長引けば、経済的にも精神的にも悪影響が出始めます。

武漢で50日以上も自宅隔離しているという人が言っていました。

『実際に家にいることよりも、自由に食事や買物に出るという選択肢を奪われていることが辛い』

確かに、もともと在宅ワークで家にいることが多い私でも、たまには『今の仕事が終わったら、街へ買い物に行こうかな』『友達とお茶しようかな』なんて思うことがありますが、今やその選択はできないわけです。

外食や旅行もたまに行く程度ですが、まったくできないとなると、なんとも言えない息苦しさを感じます。

先に楽しみがないというのは、辛いものですね…。

今は我慢の時。みんなで乗り越えよう!

とにかく今は、目の前の3週間、感染拡大を防ぐために全員で協力していくしかありません。

フードバンクの品不足、倒産やリストラなどによる失業、学校でのフリーミールが食べられなくなった貧困家庭の子どもたちなど、すでに困っている人もたくさんいます。

私が普段ボランティアしているチャリティショップも閉店状態。収益が上がらなければ、今後の活動にも支障が出てくるでしょう。

みんな苦しいけど、お互いに助け合って、それぞれに自分にできることを続けていくことが大切ですね。

イギリスは今が踏ん張り時。

腹をくくって、ロックダウンを乗り切りましょう!

スポンサードリンク