ラグビーワールドカップ2019in日本!
ワールドカップ開催中で、イギリスでも連日盛り上がっています。
試合を放送するITVのスタジオは桜や富士山のモチーフで飾られ、雰囲気満点です。
主だったラグビー大国以外での初の開催が日本というのは素晴らしいですね!日本がラグビーに対して示してきた、リスペクトの姿勢が認められた結果という気がします。
そんな嬉しいワールドカップを記念して、ラグビーに関する雑談を書いてみようと思います。
基本情報から脱線気味のおしゃべりまでありますが、ラグビーについて知りたい、ラグビーには詳しいけど本場イギリスの空気感を知りたいという方は、ぜひおつきあいくださいませ!
BBCでも日本特集
余談ですが、BBCでもワールドカップに合わせて日本を紹介する番組を放送しています。
『Japan with Sue Perkins』(スー・パーキンスと巡る日本)という番組で、プレゼンターのスーが相撲をとったり怪しげな管理職養成講座に参加したり、メイドカフェに行ったり、婚活パーティーでシャイな男性の面倒を見たり…と、文字通り体当たりで日本を体験していて面白かったです。
スーの正直かつ辛口なコメントも利いています。
いつまで観られるか分かりませんが、BBCiPlayerでキャッチアップできますので、よかったらご覧ください(日本からは観られないヤツでしたらすみません…><)!
なお、BBCラジオでも日本語でワールドカップのCMを放送しているんですよ。音源が見つからずご紹介できないのが残念ですが、突然日本語でラグビーの宣伝が聞こえてくるのでびっくりします。
イギリスの人には何を言っているかわからないだろうに、日本語で突き通すCMが斬新です。
イングランド動画がかっこ良すぎるので観てほしい!!
イングランドのスポンサーであるO2が作った応援動画があります。
これが渋くてカッコいいので、ぜひ日本の人にもご紹介したいと思ったのが今回の記事の目的です(←ミーハー?)!
その動画がこちら↓です。ずっと消されず観られることを祈ります…(^^;)。
最初に登場するのは、森の中を駆け抜ける騎馬の一団。
彼らに忍者のような何者かに矢を射掛けられ、ドラマが始まります。
村でも白と赤のボディペインティングをした者が登場するなど、不穏な雰囲気が高まっていきます。
鍛冶屋が刀を鍛える一方、甲冑がなぜが白く染められました。その上にバラの文様がかたどられ、赤く塗られます。
そう、ラグビーのイングランドチームのユニフォームである、白地に赤いバラのデザインを鎧兜に反映しているんですね。
甲冑を身に着けた戦士たちが出陣していく中、サポーターも順に着物を脱ぎ捨ててイングランドのユニフォームを見せたり、フェイスペインティングを施したりと盛り上がっていきます…!
地形や建物、笠などが日本ぽくないのはご愛嬌(^^)。でも、イギリスの人たちも日本でのワールドカップ開催を楽しんでいる感じが伝わってくる動画だと思いました。
上流階級のスポーツ!?イギリスのラグビー裏事情
#ENGvUSA The boys had a run out at the Kobe Misaki Stadium today ahead of Thursday’s Pool C showdown against the USA.
K.O 11:45 BST | LIVE on @ITV #RWC2019 #CarryThemHome pic.twitter.com/Qegvz3MgDS
— England Rugby (@EnglandRugby) September 25, 2019
ラグビーはイングランド発祥のスポーツで、もともと上流階級の子弟が通うパブリックスクールで生まれました。
タックルやスクラムなど体をぶつけあい、泥にまみれるスポーツが中〜上流階級のものとは意外に感じる方もいるかもしれません。他のクリケットなどは綺麗で上品な感じですしね。
でも、ラグビーは過激だからこそフェアプレイが求められ、「紳士が行うラフなスポーツ」と呼ばれています。
反対に、同じくイギリス発祥のスポーツであるサッカーは「ラフな人間が行う紳士的なスポーツ」と呼ばれているとか。
試合後にラグビーは対戦相手と検討を称え合って一緒に飲むこともあり得ますが、サッカーはファンもプレーヤーも絶対に別々です。
イギリスでは伝統的に、下のような区分けができています。
- サッカー=庶民のスポーツ
- ラグビー=ミドル〜アッパークラスの子弟のスポーツ
最近ではそこまで厳密な区分けはないのですが、うちの夫が大学生だった30年前くらいには大学でサッカーの話ができる相手はほとんどいなかったそうです(夫もラガーマンでしたが、スポーツなら何でも好きだったのでサッカーの話をしたかったらしい…)。
「大学に行く人=アッパークラス=ラグビーやクリケット、ポロなどの競技をする人」という時代だったんですね。
有名なデイビッド・ベッカムは労働階級出身で、イングランドのキャプテンになりたての頃はまともな英語が話せず、非難をあびていました。
(その後彼はしっかりした英語で意見を述べられるようになり、その人柄でも尊敬と称賛を集めるキャプテンになりました。キャプテンとして恥ずかしくないよう、サッカー以外でもすごく努力されたのでしょうね!^^)
その頃ちまたでは、息子を持つ親の間で「自分の子供にはウェイン・ルーニー(サッカー)よりジョニー・ウィルキンソン(イングランドラグビーの元キャプテン)みたいになってほしい!」という声が主流でした。
個人的な体験でも、イングランドラグビーの本拠地のあるTwickenham(トゥイッケナム)スタジアムで試合がある際に電車に乗ると、試合に向かうファンの人達から聞こえてくるのは整った英語で知的な内容の話がほとんど。安心して電車に乗っていられます。
でも、サッカーの試合前の電車では、騒いだり昼から飲んでいたりする人と乗り合わせることも…><。
今ではサッカーの地位が上がってラグビーの敷居も下がりましたが、やはりそれぞれのファンやプレーヤーの間にちょっと階級差を感じるのが「イギリスっぽい」ですね。
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【おまけ】ラグビー代表チームのエンブレム解説
上でご紹介した動画のハッシュタグ、#WearTheRoseのローズは、イングランドのシンボルマークですね。
日本は桜のマークですが、そういえばラグビー代表は動植物をエンブレムに使っている国が多く見られます。
これには何か決まりがあるのでしょうか…?ちょっと情報が見つからなかったのですが、せっかくなのでイングランド以外のエンブレム情報もまとめてみました。
※ちなみにラグビーにはラグビーユニオンとラグビーリーグの2派があり、W杯やシックス・ネイションズはラグビーユニオン。こちらも皆ユニオンのエンブレムで、リーグのものは異なります。
- スコットランド あざみ(スコットランドの国花)
- ウェールズ 3枚のダチョウの羽根(プリンス・オブ・ウェールズの羽根)
- アイルランド シャムロック(アイルランドの国花。クローバーではありません)
- フランス 雄鶏。Les Bleus(ブルーの複数形)と呼ばれています
- オーストラリア ワラビー(カンガルーじゃないんですね!)
- ニュージーランド シルバー・ファーン(シダの葉)
- 南アフリカ スプリングボック アフリカの草食動物。シカっぽいですがウシ科の動物です
ワールドカップではウェールズ、スコットランドにも注目!
イングランドのクールな動画をご紹介したかったのでちょっと偏りましたが、イギリスからW杯に出場しているチームにはウェールズもスコットランドもいます。
緒戦ではアイルランドにノートライで負けてしまいましたが><、スコットランドチームが個人的に好きです。9番(スクラムハーフ)のレイドローなんてハンサムで、日本でモテそう!なんて思ってます(^^)。
よかったら日本戦の試合の時にでも、探してみてくださいませ!
初の日本開催のラグビーワールドカップ、最後まで楽しみましょう。
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