イギリスの水は厄介…!?
軟水地域ばかりの日本に比べ、イギリスは「水が悪い」と言われます。確かに、イギリスでは日本から持参したシャンプーは泡立たないし、髪もゴワゴワになります。お肌にもあまり良くないということで、化粧品は水を使わないふき取り式のクレンジングや化粧水が多く、日本から来た当初は戸惑いました。
台所では、シンク周りが石灰成分(Limescale)ですぐ真っ白になります。お茶やコーヒーを飲んだ時、口の中にザラッとした物が残ったら、ケトルにライムスケールが溜まっている証拠。ライムスケールはスポンジやたわしでこすったくらいでは落ちない困りものです><。定期的にLimescale removerを使って除去する必要があります。市販のリムーバー、またはビネガーやレモンジュースのような酸性の液体を使って除去することも可能です。
それもこれも、「イギリスは石灰分の多い硬水だから」というのが、ロンドン辺りで生活や旅行を体験した人たちの間では常識ですね。
でも実は、イギリス全般が硬水ではないんです!
イギリスが硬水なのは、ロンドンを含む南東部のエリアが主で、北部のスコットランドや、すぐ隣のアイルランドでは軟水になります。
これは地質の違いによるものです。
ブリテン島の地層は地域によって複雑に年代が違い、そのため地質が違うそうなんですが、大雑把に言えば南東側は石灰分が多いとか。
わかりやすいのが、有名なドーバーの白い崖(White Cliffs)。あの白い岩は、チョークと呼ばれる柔らかい石灰岩で出来ています。見た目には美しいのですが、しっかり固まっていないため大変もろく、崩れやすいので、南側の海沿いの地域やワイト島などでは「土地が崩れて減っていく」という現象に悩まされています。
話がそれましたが、石灰質の多いブリテン島の南東側では、水に石灰分が多く含まれるというのは分かりやすい話ですよね。
我が家も南東部にありますが、硬水(Hard Water) どころか超硬水(Very Hard Water)というんだそうです。シャワーヘッドや水がこぼれた後など、あっという間に真っ白になります…(泣)。お肌の荒れが激しいのも、きっと水のせいです。私が劣化しているんじゃありません!?
反面、スコットランドまで行くと地質がガラッと変わって軟水になるとのこと。アイルランドも石灰分が多い割には圧縮されていて成分が流出しないため、軟水なんだとか。確かに、旅行に行くとシャンプー後の髪がサラサラしてびっくりします。軟水地域に住める人たちが羨ましいです…。
余談ですが、イングランドのメーカーの紅茶は硬水に合わせて作られているので、日本に持っていってもあまり美味しくないそうです(私はコーヒー派で、紅茶の味がわからないので何とも言えませんが…^^;)。日本の紅茶好きな方へのお土産には、スコットランドやアイルランドのメーカーの物を探すと良いかもしれませんね。