ロイヤルウェディング続報!
ヘンリー王子(ハリー王子)とメーガン、今やサセックス公爵夫妻の結婚式が無事に終了しましたね。花嫁の長いベールと音楽が印象的な、まさにフェアリー・テイルそのものの結婚式でした。
しかし、一見軽やかに王室の伝統を飛び越えたように見える彼らのモダンな結婚式は、全てにおいて障害なく行われたわけではないというウラ話も聞こえてきます。そこで、夢のような結婚式の詳細と、その裏に隠されたちょっとドロドロした話までまとめました。
ゴスペル、キング牧師、19歳のチェロ奏者。型破りな結婚式の内容
まずは結婚式の詳細から。ベッカム夫妻やジョージ・クルーニー夫妻などが教会で待つ間、軍服姿のハリー・ウィリアム王子が並んで敷地内に徒歩で登場し、熱狂的な歓迎を受けました。
女王夫妻の後、最後に登場するのはもちろん花嫁。5mもあるベールにはイギリス連邦(コモンウェルス)の国々の花が刺繍されています。ウェールズのソプラノ歌手、エリン・マナハン・トーマスのエンジェリックな歌声をバックに歩く姿は幻想的とも言える美しさでした。
途中からチャールズ皇太子と合流し、何か言葉を交わしつつハリー王子の元に。この時、読唇で判明したハリーの言葉は’You look amazing’(とっても素敵だよ)。その他、’I’m XXXXXX myself’と、ちょっとお行儀の悪い言葉も言ったとか…。
式には、メーガンとお母さんのルーツをリスペクトし、ブラックの人たちが多く呼ばれていました。メーガンの故郷アメリカから呼ばれたマイケル・カリー司祭の情熱的な14分にわたるスピーチは強い印象を残します。同じく黒人であるマーティン・ルーサー・キング牧師の言葉を引用した説教は、ツイッターで瞬く間に世界に広がりました。ちなみに、カリー司祭は招待を受けた時「エイプリルフールの冗談だと思った」そうです。
ソロでチェロを演奏したスマートなブラックの若者は、19歳のシェク・カネー=メイソン。彼は演奏依頼があった時、大喜びで「即、イエスと答えたよ!」そうです。
また、キングダム・クワイアによるゴスペルも素敵でした。さすがに派手に踊ったりソウルフルなシャウトを加えたりといったことはせず、静かめに歌っている印象でしたが、「スタンド・バイ・ミー」などの親しみやすいチョイスが嬉しいですね。なお、「スタンド・バイ・ミー」は元は黒人霊歌なのだそうです。
ドレス・宝飾品についてはこちら
メーガンのドレスは、お気に入りのカナダ人デザイナーのものを選ぶのでは?という予測を覆し、イギリス人デザイナーであるクレア・ワイト・ケラーのものでした。彼女はジバンシーの女性初のアーティスティック・ディレクターなので、そういった点ではフェミニストのメーガンらしいチョイスと言えるかもしれません。ちなみにキャサリン妃のウェディングドレスはアレキサンダー・マックイーンでしたが、この日のキャサリン妃のクリーム色のドレスもやはりアレキサンダー・マックイーンです。
中央にダイヤモンドを豪華に配したバンドー・ティアラは王室からの貸与で、1932年、エリザベス女王の祖母に当たるメアリー女王のために作られた由緒ある品です。ダイアナ元妃の実家からスペンサー・ティアラを借りるのではという説もあったのですが、ここは嫁ぎ先の王室のものを選んだのですね。
ケーキも独特!
The wedding cake is to be served at the Reception. It was designed by Claire Ptak and features elderflower syrup made at The Queen’s residence in Sandringham from the estate’s own elderflower trees, as well as a light sponge cake uniquely formulated for the couple. #royalwedding pic.twitter.com/kt5lE4tEn9
— Kensington Palace (@KensingtonRoyal) May 19, 2018
ロイヤルウェディング用としては非常にシンプルで、150の花に飾られたケーキにも、モダンなセンスが光っていますね。作ったのは、ペイストリー・シェフ、フードライター、スタイリストであるクレア・プタックさん。イースト・ロンドンでオーガニックの材料のみを使用するベーカリー「Violet Bakery」を経営しています。彼女のお店のケーキが気になる人は、ショップかブロードウェイ・マーケットのストールを覗いてみましょう。
お店の場所・営業時間はこちらです。また、下記のようなレシピブックも何冊か出しています。
ハリーとメーガンの結婚にまつわる、ちょっと怖いウラ話!
移民の国アメリカ出身のメーガンのルーツは、とても彩り豊かです。アフリカ系のお母さんと、オランダ・イギリス・アイルランドにルーツを持つお父さんとの間に生まれたメーガンは、自分でも「私は半分黒人で、半分白人」と言い、自分のルーツに誇りを持っていると語っています。
この通り、メーガンは白人と黒人のミックスで離婚経験者という、昔の王室であったら門前払いされそうな女性です。そんな彼女が王室に入れたのは、「開かれた王室」を象徴しているようでもありますが、本当にスムーズに結婚できたのかと言うと、やはり、裏からはチラチラと旧式なアタマの硬い人の意見も聞こえてきます。
1.どうしてお母さんとバージンロードを歩かなかったのか
例えば、心臓の調子が悪くて参列できなかったお父さんの代わりに、チャールズ皇太子が教会でメーガンとバージンロードを歩きました。とてもスイートな王室からのウェルカムジェスチャーで微笑ましくもありますが、これはメーガンのお母さんが行っても良かったのです。真偽のほどは確かではありませんが、一説には、純粋な黒人であるお母さんが表に出ることを嫌い、止めた声があったと言われています。
イギリスも移民が多い国ではありますが、ブレグジットの一端となったのは根強い排他主義です。また、結婚の直前にはウィンドラッシュ・スキャンダルという、ジャマイカやトリニダード・トバゴなどからの移民を、当局が不当に国外退去させた事件が大問題になりました。これは、20世紀半ばに戦争で労働力が減ったイギリスがその解決のために受け入れた人々の子孫を、書類不備のために排除しようとした非道な措置です。多くの人が幼い頃に離れて知り合いもいない生まれ故郷へと退去させられたり、イギリスに残っても職や家、さらには命まで失ったりという大変な災難にあいました。
この事件の問題の深さは、なぜ同じ頃に他のイギリス連邦から入ってきた移民でなく、このカリブ系の人たちが当局に目をつけられたのか言うことです。当局は認めませんが、それは彼らが’Wrong skin colour’ー間違った肌の色、つまり、黒人だったからであろう、というのはジャーナリストや常識人の間で語られています。
話が脱線しましたが、つまり、ハリー王子がミックスの妻を娶ったくらいで、イギリスが開かれた国であるという見識は大いに違うと感じていることをお伝えしたかったのです。もしウィンドラッシュ事件に興味のある方は、下記のBBCのサイト(英語)などもご覧ください。
2.本音では、イギリス国民の半数はメーガンが好きではない!?
まったく余計なお世話のような気がしますが、ウィリアム王子一家と共に王室人気を支えているハリー王子と婚約した際、英国民に対して「メーガンをどう思うか」という意識調査が行われています。結婚式前の調査によると、ほぼ半数の49%が彼女をポジティブに受け止めているものの、14%がメーガンに対して否定的(37%が’わからない’)に考えているそうです。
14%はそれほど悪くなさそうですが、49%の好感度は微妙かもしれません。王室の嫌われ者・カミラが33%、ダイアナ妃人気のとばっちりを食っている感のあるチャールズ皇太子が47%ですから、もうちょっと上がっても良いのではと思います。でも結婚後で盛り上がっている今は、もう少し上がっているかもしれませんね。
こちらのページの真ん中あたりに、王室メンバーの人気度が顔写真とグラフで分かりやすく出ています↓
他にも、半分程度の国民がロイヤルウェディングに興味なし、または税金の無駄遣いと考えているという調査結果もあります。
3.そもそも、ハリー王子は王にならないからOK!?
実は、「離婚経験者のアメリカ人女性」と結婚した王族は過去にもいます。ハリー王子の曽祖父にあたるエドワード8世で、ウェリス・シンプソンと結婚するため王位を捨てた話は「王冠をかけた恋」として有名です。なお、このエドワード8世が退位したために、その弟であるジョージ6世が王になり、さらにその娘であるエリザベス女王につながっています。
エドワード8世が即位した時代、付き合い始めた当時はまだ既婚者であったシンプソン夫人との結婚は、当時の王室としては許されるものではありませんでした。では、何故ハリー王子はすんなり結婚できたのでしょうか。
そこにはまず第一に、ハリーが現在王位継承権6位で、その前には健康で若い継承者が連なっていますから、彼が王になる可能性は極めて低いことが挙げられます。つまり、先々は王室の端っこに位置する人物の結婚などどうでも良い、ということなのではないでしょうか。これがウィリアム王子だったら、間違いなくもっと大騒ぎになっていました。
第二に、チャールズ皇太子とダイアナ元妃の離婚、さらに結婚時はカミラとの三角関係にあったというとんでもない醜聞の歴史があります。これは、王室スキャンダルのハードルが下がったというか、庶民化したというか、どちらにせよ王族が雲上人ではなくなった出来事でした。今更、王子が離婚経験者でミックスの女性と結婚するくらい何でもないのでしょう。
4.引き出物がすでにネットオークションで転売されている…!?
今回の結婚式には、庶民1200人も招待されていました。もちろんフォーマルな披露宴には出ないのですが、帰りにはトートバッグに入ったお土産ー引き出物ももらえたそうです。気になる中身は、
- ウェルカム・レター
- 冷蔵庫に貼るマグネット
- チョコレートコイン
- 缶入りショートブレッド
- ミネラルウォーター
- ウィンザー城のギフトショップの割引券
と、素朴な内容ですね。でも、食べ物以外は一生の記念にするという人もいそうです。しかしそんな中、さっさと売ってしまう人もいるようで、式の数時間後には早くもネットオークションに登場していたとか。3日後である今日、ebayを見てみたらなんと、現時点で5,700ポンド(約85万円)のオファーが!!!!
しかし、EXPRESSのこちらの記事によると、50,000ポンド(約740万円)にまで上がっていたそうです。ウェディングの招待客は、チャリティのボランティアなど地域で頑張っている人たちが中心でした。このオークションは、実はチャリティの資金集めだったという話ならまだ救われるのですが、どうなのでしょうね…。
The Duke and Duchess would like to thank everyone who took part in the celebrations of their Wedding.
They feel so lucky to have been able to share their day with all those gathered in Windsor and those who watched on television across the UK, Commonwealth, and around the world. pic.twitter.com/RSa9ukqxLF
— Kensington Palace (@KensingtonRoyal) May 21, 2018
モダンなハリー&メーガン夫婦のモダンな家族スタイルにも期待!
何かとモダンなハリー王子の結婚式は話題性たっぷりですね。色々とうるさいことを言う外野もいるかもしれませんが、「パーティ・プリンス」とか「ダーティ・ハリー」などと呼ばれるほどヤンチャだったハリー王子にしては、とても地に足の着いた、しっかりした姉さん女房を射止めたのではないでしょうか。
王室に加わる前からチャリティや女性の問題に積極的に関わってきたメーガンだけに、ネームバリューを得た今度の活動にも注目したいところです。また、赤ちゃんの計画があるのかは分かりませんが、現代に即した自由な王室カップルとして、末永く幸せに暮らしてほしいですね。
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