ヘンリー王子とメーガン妃、王族やめるってよ
新年早々、激震を引き起こしたヘンリー(ハリー)王子とメーガン妃の離脱宣言。
前代未聞の出来事だけに、メディアも世論も大揺れに揺れましたね。
そんななか、「とっとと解決しなさい」というエリザベス女王の鶴の一声で、意外と早く彼らの処遇や、希望をどこまで叶えるかといった決定が下されました。
ロイヤル・ハイネスの称号は使えなくなる=王族とは一線を引く、という処遇が決まったことで、彼らはハリー王子&メーガン妃という立場から、ただのハリー&メーガンになります(※サセックス公爵と公爵夫人の称号は残ります)。
一段落したところで、ロイヤルの離脱騒動騒動の真相や裏側をまとめてみました!
(最初のタイトル、朝井リョウ先生の『桐島、部活やめるってよ』をパロらせていただきました)
インスタで発表!イマドキ【離脱宣言】は周到に用意されていた!
通常、王室からの発表はお抱えの広報からされるもの。しかし、ハリー王子とメーガン妃の離脱宣言はある日突然、ネット上で世界に向けて発信されました。
加えて彼らの公式サイトとして’Sussex Royal’(現在はThe Official website of The Duke and Duchess of Sussexという名称になっています)を発表。
最近では、退職するのに直接会社に言えず代行業者を利用する若者が増えているという日本のニュースを聞きますが、何だかその話を彷彿とさせるやり方です。
彼らの言うことは、こんな感じでしょうか↓
「これからは王族メンバーの責任あるポジション(シニア)から身を引いて、一部の仕事のみしていきます。家族のプライバシーを守りたいし、自由もほしいので、イギリスと北アメリカを行き来して暮らします。お金は自分たちで稼ぎます。でも女王のことはこれからもずっとサポートしますよ」
この段階では誰もが「???」状態。
ロイヤルって、パートタイムになれるの?(なれませんけどね、普通…)
家を分けるって、その移動費や、王族である以上必要な警備費用は誰が払うの?
ウィンザーにあるお屋敷、「家族のために」膨大な税金を使って昨年改装したばっかりなんだけど…。あれは彼らがキープするの?
などなど、疑問はたくさん。
彼らの発言は良いようにも悪いようにも受け取れる部分が多かったものの、個人的には「都合の良い部分だけを利用しようとしている」感じは否めませんでした。
さらにびっくりしたのが、彼らがSussex Royal’としてさまざまなアイテム ー洋服、本、カレンダー、チャリティなどー の商標を登録していたこと。
前々から、がっつり用意してたのね…(;´∀`)
ヘンリー王子はけして聡明なタイプではないので、すべては実際家なアクティビスト、メーガン妃が主導していることは明らか。
しかもそのご本人は、この発表の後すぐにカナダへ飛びました。
直前までホリデーに行っていたカナダに、ナニーに任せて息子のアーチーくんを置いてきたので、戻らなければならないとのこと。
後にはヘンリー王子が1人でゴタゴタの始末を引き受けることになりました。
義実家に「私は好きなようにやるわよ」という果たし状を投げつけ、自分は話し合いには参加しないメーガン妃って、すごいですね…(;´∀`)。
女王の本音は?
彼らの離脱宣言に、王室サイドの女王やチャールズ皇太子は「相談なく発表されたことに傷ついた」と言っていたそう。
お家騒動を一族の長である女王(ついでに国家元首でもある!)に相談なく、世界に通告したんですから、大変なことです。
しかし、そこはダイアナ妃への対応で批判されたり、数々のスキャンダルを乗り越えてきた王室。
「彼らの気持ちは理解できる。できるだけ迅速に解決したい」と、女王の声明をだして大人な対応をしたところはさすがです。
ウィリアム王子も「ずっとハリーのサポートをしてきたけど、いつまでも弟の肩を抱いていてやるわけにもいかない」と、穏やかに諦めたようなコメントを出しています。
騒動が勃発してすぐ、女王によって「家族会議」が招集されました。
女王とその直系の家族が通年クリスマスを過ごすサンドリンガムへ現れたのはハリー王子、ウィリアム王子、チャールズ皇太子です。
(カナダに行って不在のメーガン妃は電話で参加するという前情報でしたが、結局参加しなかったという話です)
その結果、ハリーとメーガンの言い分は「基本的には」通りました。
女王から「彼らの幸せを願う」「メーガンはとても早く家族に馴染んでくれた」と、優しい言葉が並んだ声明も出されました。
一方で、「王族としての仕事はゆるくして、自分でお金を稼がせてほしい。ビジネスにはもちろん、王族としてのネームバリューを駆使しますよ。メディアも自分のお気に入りを使うからね」というハリー達の甘えた考えを吹っ飛ばす処遇も決めています。
おおざっぱな処遇は下記の通り。
- 王族としての称号(HRH titles)は使用禁止
- ソブリン・グラント(Sovereign Grant、公共の予算から支出)は受け取れない(ただし、父親のチャールズ皇太子の領地からあがる収入からの手当は受け取れる)。
- 女王の代行としての仕事はできない
- フロッグモア・コテージ(Frogmore Cottage)の改装にかかった税金およそ240万ポンド(約3億4千万円)は自分たちで返還する
内容としては、しごく当然に感じられますね。
住宅の改装費用の返還については、メーガン妃の高額なドレス代やホリデーへ行く際にプライベート・ジェットを使うなど、無駄遣いの多いカップルとして非難されていただけに、国民の感情を考慮した賢い処置と言えますね。
なお、住宅のフロッグモア・コテージそのものは女王からのギフトだったはずなんですが、彼らが北アメリカへ移住した際には賃貸料が発生する可能性があるとか…。
その額、最高で年間36万ポンド(5,000万円以上!)にのぼるそう。
※参照記事はこちら(Dailymailの記事です)
かれらの’Sussex Royal’登録商標についても、いくつか異議が出されているそうです。
反面、メーガンはさっそく気に入らないパパラッチを訴える準備をしているとか。
(プライベートを大切にしたいから王族を離れるそうですが、知名度を使ってビジネスやチャリティ活動を行っていく以上、メディアからは逃れられない…というか、経済的な面でむしろメディアに擦り寄らなければいけないことも出てくるのではと思いますが…)
まあ、そうそう都合の良い部分だけを味わえないですよね…(^^;)。
2019年のクリスマスには、女王によって家族写真から排除されていた
さて、王族会議後に彼女らしからぬ(?)優しい声明を出した女王ですが、それは本心でしょうか?
女王がメーガンのことを気に入っていたという過去の報道は信ぴょう性がありますが、今回の件に関して気分を害さないほど、孫に甘いおばあちゃんではないと思います。
昨年のクリスマスの「女王のスピーチ」(Queen’s Christmas Message)の際、すでに不穏な雰囲気が漂っていました。
下のYoutubeの画像を見ると、テーブルの上に家族の写真がありますが、ハリーとメーガン夫妻のものがありません。チャールズ皇太子とカミラ妃、ウィリアム王子とキャサリン妃、その子どもたちの写真はちゃんとありますね。
王になる人物がいる世帯の写真のみテーブルに置いているのかもしれませんが、それなら後方のフィリップ殿下の写真と並べるなどしても良かったはず。
それに2018年には、ハリーとメーガンも、チャールズ皇太子やウィリアム王子たち家族との集合写真に含まれていたのです。
それは、メーガンを歓迎して王族に受け入れたという、女王からの表明のひとつでした。
2019年、ネガティブなニュースが多かった王室広報としては、アーチーくんも含めた写真を置いて、ロイヤルファミリーの明るいニュースを強調したかった時期だったでしょう。
それをわざわざ外すとは…。
女王の静かな怒りを感じずにはいられません…!
王室から逃げ出すロイヤル達。前例「王冠を賭けた恋」とは?
実は、王室を離脱したロイヤルは初めてではありません。
歴史好きな人には有名な話ですが、そう遠くない過去、何と国王の座を放り出してしまった人がいます。
それがエリザベス女王の伯父にあたるエドワード8世。
現在はチャールズ皇太子の称号である「プリンス・オブ・ウェールズ」の称号をもつ彼は、42歳の時、父ジョージ5世の後を継いで国王になりました。
ところが遊び好きなこの方、初っ端から堅苦しい王室のしきたりに反発していたようです。しかも第二次大戦前の不穏な時期にドイツに親密さを示すなど、国王として不適切な行動も多く、議会や国民を不安にさせていました。
そして最大の問題が戴冠後1ヶ月に起こります。エドワード8世が、かねてから交際中だったアメリカ人のウォリス・シンプソンに正式にプロポーズしたのです。
しかしシンプソン夫人は1人目の夫と別れ、2人目の夫とも離婚協議中という立場。
前夫2人が生存している女性がクイーン・コンソート(王妃)になるなんて、問題ありすぎ!と当時の首相達から猛反対を受けます。
イギリス国教会の教義にも反することなので、名義上トップである国王には許されることではありません。
そこでこの王様、「それなら王様やーめた!」と、在位期間わずか326日にして退位してしまうのです。
びっくりしたのは弟のヨーク公アルバート。「国王の次男」から「国王の弟」になったと思ったら、あっという間に自分が国王になるとは、思ってもみなかったのではないでしょうか。
アルバートがジョージ6世として王になった瞬間、長女であるエリザベスにも、未来の女王という運命が決まりました。
エドワードはそのままイギリスを脱出し、ウォリスとの結婚を成し遂げます。二人の結婚は、彼が77歳で亡くなるまで続きました。
この世紀の恋は、マドンナ監督で『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』として映画化もされるなど、ロマンティックな側面からも注目されたようですね。
王室を離れた元王様は、幸せになったのか?
しかし彼の身勝手な行動は、彼自身の母親をはじめ家族を激怒させました。その上ヒトラーと交流するなど思慮の足りない行動も多く、イギリス政府からも危険視されてしまいます。
ウィンザー公爵という称号を得、王室からのペンションももらえるため贅沢な生活を送ったエドワード。後にはウォリスも正式にウィンザー公夫人として認められます。
しかし、短期間を除いては生涯イギリスに帰ることは叶いませんでした。77歳の時、最愛のウォリスに看取られつつ、フランスの屋敷でひっそりと一生を終えます。
彼は生涯、元国王、元王族という生まれを誇り、それに応じた扱いを欲していたようでした。しかし、特権階級に付き物の義務や仕事を放棄した以上、王族としての仕事も、それに伴う誇りややりがいも失うことになったのです。
愛を貫いて幸せだった反面、失ったことも多い一生だったのではないでしょうか。
ただ、亡くなる10日ほど前に、フランス来訪中だったエリザベス女王と再会できました。その前年には日本から旧知の昭和天皇と皇后が訪ねてきています。
(Netflixのドラマ’The Crown’では、『日本の天皇ですら訪ねて来たのに、近くのイギリスにいる女王が病床のウィンザー公を訪ねないのはいかがなものか』という話がありました。実際そういう世論があり、それが女王を動かしたのかはわかりませんが…)
ちょっと外れますが’The Crown’予告編のご紹介。エドワードのシーンはありませんが(^^:)。いやあ、シーズン3も面白かったですね〜!
彼の遺体はイギリスに運ばれ、ウィンザーにある王族の墓地(The Royal Burial Ground)に埋葬されました。
この墓地があるのは、奇しくもハリーとメーガンが住むFrogmoreの敷地内。
そして、エドワードとハリーが王室を離れるきっかけを作ったウォリスとメーガンは、2人ともアメリカ人女性。
偶然ですが、ちょっと不思議な符合ですね。ハリーとメーガンは、エドワード達のように添い遂げられるでしょうか…?
離脱が認められたメーガンは、さっさと活動開始!
ハリーとメーガンは王族を離脱し、好きなことを好きなようにできるようになりました。
すでにメーガンは最初のインタビューをブッキングしています。
噂ではディズニーのナレーションの仕事の可能性もあるとか。
これからも当分、彼らへの取材、講演依頼、またはチャリティ団体の代表に就任など、仕事には事欠かないでしょう。
ニュースではカナダの人たちも歓迎していました。
しかし、彼らの登録商標への反対やハリーのカナダでの在留許可など、問題を指摘する報道も次々と上がってきています。
このまま順風満帆に行くのか、あるいは暴風雨の中を突き進むことになるのか…。
まだまだハリーとメーガン、そしてアーチーくんの今後を追いかけずにはいられません。