イギリスで乳がんになりました。〜英国がん治療体験記その1

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乳がん体験記を書いてみます!

海外暮らしで心配なことの一つが、自分や家族の病気です。

かくいう私は先日、乳がんの治療を終えました!

正確にはホルモン療法で薬だけは飲み続けていますが、積極的治療は終了したため、今のところ嬉しい気持ちでいっぱいです。とはいえ、ほぼ8ヶ月にわたる手術と治療はやっぱり大変でした(;´∀`)。

私は非常にラッキーなことにごく初期で発見できたため、手術と放射線治療のみで済みました。でも、辛い化学療法や副作用のきつい抗がん剤を飲まなくてはいけない方もたくさんいらっしゃいます。

そんな方たちに比べたら、私の経験なんぞは大した情報にはならないかもしれません。

しかし、これから治療を受ける方や「海外でがんになったら、あるいはイギリスのNHSで手術することになったら、どんな感じなんだろう?」と不安に思っている方に、情報をシェアしたいと思い、書いてみることにしました。

そして、自己チェック&がん検診の受診も絶賛おすすめ中ヽ(。・∀・。)ノ!乳がんは40代後半から50代前半に見つかる人が多いそうなので(私はドンピシャな年代でした^^;)、この年代の方は特に気をつけたほうが良いかもしれません。ぜひぜひ、シャワーの際に触ってみたり、NHSや人間ドック、婦人科検診などで乳がん検診も受けてください。

※※※こちらで書かせていただいている内容は、あくまで自分が経験したこと、自分で聞いたこと、そして自分で正しいと思っている知識です。最大限の努力を払って正確を期していますが、私は医療従事者ではないため、不正確なことや間違った内容もあるかもしれません。

また、自分にとって良かったり正しかったりしたことでも、他の方には当てはまらないケースも多々あるかと思います。そのため、あくまで体験談を参考にするといった気持ちでお読みいただけると幸いです。※※※

胸に石のようなものが…。これってまさか?

私が乳がんを見つけたのは、2018年秋、40代後半の時。

着替えの際、何気なく触れた右胸の外側に、妙にコリッとした感触があり「あれ?これ何??」と違和感を覚えたのが最初です。

よく「しこり」と言いますが、私のそれは生理前などに感じる硬いゼリーのような感触や大きさではなく、例えるなら「乾燥した小豆粒」でした。しこりというより、石という感じです。

「もしや乳がん?」と思いましたが、私には知る限りの家族や親戚にがん経験者がおらず、どういったものか想像がつきませんでした。そんな時のお決まり、まずはネット検索です!

すると、がんは「固くて、あまり動かないのが特徴」という情報が多くありました。あら、当たってるじゃん…と思いつつ、「生理がある人は、生理が終わってから医者に行ったほうが確実な診断が受けられる」という情報も見受けられたため、次の生理を待ってGPに予約を入れました。

GPの女性の先生は、ちょっと触っただけでしたが「私は、こういう時はちゃんとホスピタルで診てもらうべきだと思っているのよ」と言って、即座に病院にリファー(refer)してくれました。

先生はついでに「しこりがあっても悪いものでないことが多いから、あんまり心配しないようにね」と元気づけてくれました。余談ですが、その後も手術の後には直接電話をくださり、「気になる症状などがあったら、気軽に相談してね」と言ってくれ、とても心強かったです。良い先生で、感謝しかありません。

まずはGPに相談ですね!

まずはGPに相談ですね!

 

ホスピタルでの検査

さて、「なにかと待ち時間が長い」と悪評高いNHSですが、今回GPに行った後の展開はすごく早かったです。GPの先生がリファーしてくれた翌日には「明日、朝一で来られる?」と病院から電話があり、アポが入りました。そこでさらに翌日、地元病院の外来(outpatient)内のBreast surgery(これは日本語だと乳腺科または乳腺外科でしょうか?)へ。この病院は緊急用のA&Eしか入ったことがなかったので、探すだけでちょっとオロオロしました(笑)。

診察はドクターと看護師さん、それにインターン生1人。触診したドクターに「おそらくcyst(シスト、良性のしこり)だと思うけど、念の為に超音波検査に回します。それで必要ならbiopsy(バイオプシー、生検)もやります」と言われ、ナースに渡された紙を持ってRadiology(放射線科)セクションへ。ちなみに、うちの病院には科それぞれにけっこう大きな受付があります。

超音波検査は、胸にジェルを塗ってスキャナーを当てて検査します。私は経産婦なので「妊婦健診と同じだ!」と思って受けていました。そこでしこりを確認した技師さんは、「このまま針で組織を採取して調べるけど、良いですか?」と、その場で部分麻酔の注射をし、針のようなもので組織を採ってくれました。

結果は後日(約1週間後)と言われましたが、その日のうちに生検までトントン拍子に進んだことにびっくり!ネットで予習していた内容から、生検までやってくれると白黒はっきりついて良いなあと思っていたため、ラッキーだと思いました。良い結果にしろ悪い結果にしろ、あやふやなままで心配しているのは嫌だったので、これでスッキリできる!と胸をなでおろしたのを覚えています。

お医者さんもナースも親切でした

お医者さんもナースも親切でした

検査結果はクロ!

そして1週間後、ドクターから検査結果はがん細胞だったとの報告を受けました。ドクターは慎重に言葉を選んでくれましたが、正直なところ覚悟は出来ていたし、触診で小豆粒程度と小さい=初期だろうということが自分で分かっていたため、あまりショックはありませんでした。

実際、ドクターもGood newsとしてサイズが1cm程度と小さいこと、また薬によるホルモン療法がよく効くタイプのがんであることを教えてくれました。そのため、手術後は放射線治療と5年間の抗ホルモン剤服用のみで、Chemotherapy(キーモセラピー、キーモとも言います。化学療法のこと)が要らないと言われ、大いにほっとしました。

私の乳がんは正確には「湿潤性小葉がん」というそうです(その時は単語がよく分からなかったのですが、後でネットやパンフレットを見ながら確認しました。一般的な乳管がんより少なめのタイプの乳がんです)。その場で、1ヶ月後の手術の日どりまで決まりました。

心配な転移については、まだ分からず…

手術は、腫瘍の周り1cm程度までのみ除去し、脇のリンパ節も1〜2個採って転移のある・なしを確認するとのことでした(sentinel lymph node biopsy、センチネルリンパ節生検)。

リンパ節はその場でチェックして、転移があればすべてのリンパ節を除去するそうです。知らなかったのですが、脇のリンパ節ってたくさんあるんですね…。

ただ、術後に切り取ったものを検査して、切断面にがん細胞があったら再手術して、もっと大きく切り取らないといけないとのこと。

心配なら、はじめから大きめに乳房を切除することもできるようでしたが、とりあえず術後の負担を軽くしたかったので、それは避けてもらいました(この時ふと、アンジェリーナ・ジョリーを思い出しました。乳がんになる可能性があるから、先に切り取るという大胆なことをやっていましたよね^^;)。

お医者さんの話の後にナース2人との面談があり、互いの連絡先など詳細をやりとりました。なお、その時に資料等をもらえるので、告知の際は大きめバッグエコバッグなどを用意しておくと安心です。

私が渡されたのは、下の写真のようなファイル一冊と、術後のリハビリの説明書など。ファイルには専門用語の説明などがあり、とても役立ちました。

さらに、子どもへの告知のアドバイス等が書かれたリーフレットも。ちなみに、お子さんが小さい場合は子ども向けに優しく病気のことを説明した絵本ももらえます(うちの子達はそこまで小さくないのでもらいませんでした)。

乳がん患者用の資料

なお、私の場合、その半年近く前にNHSのマンモグラフィ検査を受けており、その際には異常なしだったということがありました。

その時点でがんがどのくらいの大きさだったのかは分かりませんが、ネット情報によると日本人は乳腺が発達しているからマンモでは見えにくいこともあるそうです。私のが「小葉がん」だったことも関係あるのかもしれませんし、人によって、がんのタイプによって違うのかもしれません。

そのため、マンモグラフィで異常なしだった人も、自分で触ってみてチェックすることが大切だと思います。また、触診でわからないものがマンモで見つかる人もたくさんいるとか。検診のお知らせが来たら、きちんと行くことが大切ですね!

NHSでは、50歳から無料でマンモ検診を行っているそうです(私の住んでいるエリアでは、リサーチのために40代後半の人も半数を選んで検査しているとのことで、早めに受けられました)。

なお、ドクターいわく「こんな小さいうちに自分で見つけられたのは、あなたがスリム(←先生のご意見!)だから。肉付きの良い人は、触ってもなかなか見つけられないのよ〜」。

確かに、こちらのグラマーな人ならちょっと触ったくらいじゃわからなそうです。いやあ、貧乳で良かった!と人生で初めて思いました(笑)。

さて次は手術!なんですが、ここから紆余曲折あり、1ヶ月のはずが3ヶ月後になってしまいました…(^^;)。長くなりますので、詳細は次の記事に続きます!

続きはこちら!→イギリスで乳がんになりました。〜英国がん治療体験記その2

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