イギリスで乳がんになりました。〜英国がん治療体験記その2

スポンサードリンク



さっそく手術!のはずが…!

前回の記事(英国がん治療記その1)ではサクサクと診断がつき、さらにサクッと1ヶ月後の手術の日取りまで決まったところまで書かせていただきました。

では、サクッと手術できたかというとそんなことはなく、なんとその後2度も延期という憂き目に!!

今回は、そのあたりのことを中心に書きたいと思います。

NHSの日帰り手術に関するリクワイアメントは?

日帰り手術後は?

日帰り手術後は?

イギリスの手術の良いところは、基本が日帰り手術というところ。

心配だから病院に泊まりたいという人もいるかもしれませんが、仕事や育児で入院は辛い、早く家に帰りたいという人には良いシステムですよね。

特に私の場合、実は夫を亡くしたシングルマザーでして、子ども2人を残して入院できない!!という困った事情がありました。

しかも国内に大人の親族が全くいないという状況でして、診断を受けた時は病気のことよりも「入院になったら、子どもたちはどうしたら!?私は付き添いとかいるの!?」と、現実問題がのしかかってきました。

「よほど問題がなければ、日帰りで大丈夫」とドクターが言ってくれた時はほっとしましたが、全身麻酔が必要な日帰り手術の際は以下の条件があるそうです。

1.手術後、大人の人が迎えに来ること

2.術後24時間は自宅で大人の付き添いをつけること

日本なら入院して看護師さんたちが様子を見てくれるところなのでしょうが、そこは予算のないNHS。他の病気や疾患がなければ全身麻酔の後に容態が急変する人は少ないため、万が一のために家族か誰かがついていれくれれば、日帰りで良いでしょうということらしいです。

ただ、どうしても付き添いがアレンジできなければ、1泊することも可能なような口ぶりでした。はっきり尋ねたわけではないため、断言はできませんが…。

でも、イギリス人でも天涯孤独の人はいますし、そういった人には入院で対応するのだろうなという気はします。なお、同じ乳がんでも全摘の人は入院になることがあるそうです。

また、プライベートの病院で全身麻酔をした人は1泊したと聞きましたので、一概には言えないかもしれませんね。

私の場合、泊まりにすると子どもたちが心配なので、日帰り手術の方が助かります。そこで、お迎え&24時間付き添いを友人にお願いすることに。

幸い、1人がお迎え、1人が泊まり込みしてくれると言ってくれました。友達はありがたいですね…。ほんとに嬉しかったです。

準備万端のはずが、事前検査で意外な事態に!

さて、話が決まったら日本の家族や、海外にいる義理家族にも報告です。

自分はのほほんとしているのに、家族の方が動揺しているのが伝わってきて、ちょっと辛かったです。でも、初期だから大丈夫!腫瘍のサイズも1cmくらいだし!と一生懸命フォローしました。

それから、手術までの1ヶ月の間に何度か検査や面談があります。

検査としては、マンモグラフィとMRIを別々の日に受けました。MRIは、もしかしたら小葉がんだったからかもしれません。

それから、手術担当の看護師さんと面接(Pre-op Assessment)し、その際に体重、MRSAのチェック(口の中の細胞をとるだけで簡単)、血液検査がありました。

諸々の検査を済ませ、あ~着々と手術の日に近づいてるな…なんて思っていたころ、ドクターから電話が。

「MRIの結果、反対側の胸にも腫瘍らしきものが見つかったので、さらに検査が必要。精密検査のために生検しましょう」と…。

そ、そうなん…!?Σ(゚∀゚ノ)丿

両胸の手術になると、両側のリンパ節も取らなきゃいけず、術後の回復が遅れる〜!友達にも謝らなきゃ!と、また現実問題が落ちてきました。

最初の腫瘍が右側だったので、車の運転も早めに復活できるだろうと踏んでいたのに、左腕もあまり使えないとなると困ります(ギアチェンジが快適にできるようになるまでは運転を控えるようにというアドバイスなので…。うちはオートマなのでそれほどではないものの、駐車場でリバースに入れたりなど、ちょいちょいギア使うから困りますよね><)。

また、ドクターとの話し合いで、検査結果が出るまでの時間を考えると予定の手術日は厳しそうだから、1週間先に伸ばすことになりました。

そこでまた、友達に連絡して1週間伸びるけど良い?と改めてお願いすることに。幸い大丈夫でしたが、(大人の)家族や親族が近くにいないと、こういう時ほんとに困ります。

二度目の生検

生検の結果は…

生検の結果は…

ドクターが早めに動いてくれたおかげで、左胸の謎の影の生検はすぐに決まりました。

また来たよ〜、てな感じで技師さんたちと再会(笑)。まずは超音波で影を確認します。

スクリーンには、しっかり丸っこい影が映ってました。あ〜、これね…というわけで、また部分麻酔&針を刺して生検です。

ところが、この時に針を刺すのが早すぎて、麻酔が効いてないのに生検用のふっとい針をブスリとやられちゃいました!

一瞬ガマンしたものの、しこりに到達するためにグリグリやられるので耐えきれず「い、痛いですううう」と訴えるも、もう針刺しちゃってるからとそのまま続行。すぐに麻酔も効いてきたので、長い時間ではなかったのですが、あれは痛かったですわ〜。°( ´:ω:` )°。

検査結果はまさかの「グレー」!

そんな痛い思いをした生検の結果は数日後に出ました。

またドクターとのアポを取って病院へ行ったところ、なんと結果は「がんではないような感じだけど、普通の細胞でもないので、確実に分からない」。

えええええーーーΣ(・ω・ノ)ノ!!

生検ってかなり精度が高い検査と聞いていたのに、白黒つけられない結果ってありなの!?

と、さすがにびっくりしました。

ドクターいわく「ここはロンドンの大きな病院へ検査結果を送って所見を求めてみます」。

それで確定できなかったら、実際にロンドンへ行って検査を受けてこいと…。

な、何だか大ごとになってきました!

もちろん手術の日も、再度延長に…( ̄□ ̄;)!!これは困ります、とっても困ります!!

ドクターにこそっと「特にがんじゃなさそうでも、ついでに取っちゃうっていうのは駄目ですか?」と聞いたのですが、「悪いものとはっきりしない限り、むやみに取りません」と言われちゃいました(;´Д`)。また、グレーなものが将来がん化することもないそうです。

そんなこと言っても、ただでさえ長い道のりのがん治療なのに手術の日が決まらないと、予定がたてられなくて困ります。ただ、ドクターも気の毒がってくれ、「確実にロンドンからの結果が届き、手術可能な最短の日」を予約してくれました。

再度、友達2人に電話して事情を話し、再々アレンジ。大変、ご迷惑をかけました…(><)。

そして案の定、ロンドンの大きな病院からは「確定できないので、直接見る必要があるから来てください」という結果が来ました。

ちなみに、そのロンドンの病院にはMRIしながら生検を受けられる機材(←この辺、うろ覚えです^^;)があるそうです。アポも入り、年が開けてすぐの1月5日に検査に行くことに。

それだけでも大変なのに、精密検査を受けるにあたって事前にマーキングが必要とのことで、またまた超音波の部屋へ。短い間に三度も行ったので、気分はベテランです(笑)。

ロンドンでの検査で、またまたびっくり!

写真はイメージです

写真はイメージです

すっかり検査疲れしたところで、正月早々ロンドンへ。うちから日帰りで行かれるとは言え、電車と地下鉄を乗り換えて見知らぬ土地へ行くのもなかなか疲れます。

着いた病院は巨大で、MRIユニットだけでいくつもあり、案内板を見ながらもちょっと迷いました。しかも土曜日だったため人がほとんどおらずガランしていて、売店も閉まっています。疲れているのに、待っている間にお茶もできない〜。

ヘロヘロになりながらドクターや看護師さんとお話をし、「今日はちょっと時間がかかる検査だからね」と説明されました。造影剤を投与してからいざMRIの台ヘ。正確に左胸を診るためにポジショニングされるのが、ちょっと痛かったです。

そして、最初のスキャン(?)が終わるとドクターが部屋に入ってきて言うには、

「君の左胸の影はなくなってるよ!」

……は?(´・ω`・)?

ちょっと、意味がわかりませんでした。地元の病院でマーキングもしてきたのに、無いってどういうこと??

ドクターによると、無害な細胞?水?がたまたま溜まっていて、MRIに映ったのだろうと…。どちらにしてもがんじゃないので、良かったね!という感じでしたが、こちらは拍子抜けという感じで、しばらくぽかんとしちゃいました…( ゚ρ゚ )。

嬉しいことは嬉しいけど、ここまでの大騒ぎや無駄にした日数はなんだったの…?と、帰り道の間ずっと脱力していたことを覚えています。

しかも、その2日後にはインフルエンザを発症…!潜伏期間を考えると、ロンドンへ往復するどこかで感染した疑いが濃厚です。検査疲れと高熱で、手術前にかなりぐったりしてしまいました…(^^;)。

次に続きます。

スポンサードリンク