乳がん手術後の放射線治療〜英国がん治療体験記その5

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ちょっと話がそれますが、手術から約1ヶ月後、日本へさくっと里帰りしました。

もちろん、友人たちには乳がん検診を絶賛おすすめしてきましたとも!

私はマンモ検査で見つからず、自分で触って見つけたので、自己チェックもすすめました。

温泉にも入れましたよ〜(^^)。

Image by Santa3 from Pixabay 注:お猿さんと一緒には入っていません(笑)

ちょっと迷ったのですが、傷はきちんとふさがっていたし、術後のチェックでも問題なかったので入りました。

予約してくれた親が気を使って、がん手術後の人のための「入浴着」の貸し出しがある旅館を選んでくれていたのですが、使わずじまい…。私の場合は脇の方に2本の切開跡がラインになっているだけなので、気になりませんでした。

でも、こういう配慮をしてくれる旅館があるというのは心強いですね!

ゆっくりお湯に浸かり、美味しい和食もたらふく食べて、リフレッシュ完了。

放射線治療もがんばるぞ!と元気にイギリスへ帰りました。

【これまでの記事】

イギリスで乳がんになりました。英国がん治療体験記その1

イギリスで乳がんになりました。英国がん治療体験記その2

いよいよ乳がんの手術へ!英国がん治療体験記その3

手術後の経過や検診など〜英国がん治療体験記その4

放射線治療は3週間ちょっと!

イギリスへ帰国後、治療プランを立てるためのミーティングへ。

3週間の間、平日のみ毎日ホスピタルへ通うというスケジュールと、副作用についての説明がありました。

私はミーティングの後はすぐに治療に入れるのかと思っていましたが、それから1ヶ月くらい待つことになりました。いやはや、待つことばっかりです(^^;)。

治療1日目はオロオロ…

Image by aldineiderios from Pixabay  ※写真はイメージです

初日は少し早めに行って、待合室に入ります。

他にも患者さんはたくさんいたのですが、ほとんどお年寄りばかり

付き添いのご家族が一緒の方も多く、席はけっこう埋まっています。

長く通う人ばかりなので、退屈しないようにとジグソーパズルや雑誌がたくさん置いてありました。

無料のウォーターサーバーや有料のコーヒーマシンなんかもあり、なかなか快適な感じです。

しばらく待っていると名前を呼ばれ、更衣室で治療着に着替えるよう指示されました。うちの病院では一方通行になっていて、待合室からドアを開けて入り、反対側のドアを開けて治療スペースに入っていくというシステムでした(わかりにくかったらすみません><)。

終了後は別のドアに入り、着替えてから待合室へ続くドアを開けて出て行く一方通行。スムーズに人が流れるので、うまい方法だと感心しました!

最初は流れがわからずオタオタしちゃいましたが…(^^;)。

放射線の部屋は入り組んだ奥の方になっており、スタッフと一緒でないと入れないようになっています。

ペラペラの治療着を着てから、呼ばれるまで更衣室の外でしばらく順番待ちするのですが、寒くてちょっと辛かったです><。後日から、必ずカーディガンなど羽織るものを持って行くようにしました。

放射線の部屋に入ると、手術の時と同じように、最初に名前と住所で本人確認をされます。

実際に放射線を当てる際は、技師さんが必ず2人ついてくれました。2人でこちらの名前とカルテに間違いがないか、また放射線を照射する位置など、何度も細かく確認しあっています。こうして間違いがないようにしているんですね。

放射線の機械は、大きなベッドとその周りを動く装置がついて、まるで宇宙船のベッドのようでした(いや、実際に宇宙船でコールドスリープに入ったことはありませんが(^^;)、イメージ的に…)。

ベッドにのって位置を決められたら、もう動けません。完全に「まな板の上の鯉」状態です。

リラックスできるように音楽も流れているのですが、動いちゃいけない〜!咳しちゃいけない〜!と緊張しまくり。

それに、ここもちょっと寒くて参りました。照射時間はごく短いのですが、1日ならともかく連日なので、後々冷えで体調がおかしくなりました(><)。

そうそう、受付で翌日後の予約時間が書かれた紙をもらえました。時間は日によって違うため、間違えないようにしないといけないんですよね。

私は在宅ワークだから良いけど、外でお仕事の人は大変だろうなあ…。

治療開始1週間後の感想

治療が1週間終わると、コンサルタントさん?との問診があります。

調子はどう?とか聞かれるのですが、1週目はまだ元気いっぱいで、照射部分の肌のトラブルもありません。

「副作用ないです、大丈夫です〜!」なんてヘラヘラしてました。ほんと、こんなに元気なのに病院に通っている自分が不思議な感じだったのです。

(2週目から地獄のロードになるとは、この時は思ってもいませんでした…w)

コンサルタントさんはそれでも細かく注意事項や翌週からの予定など説明してくれ、肌には「香料不使用の保湿剤」を塗っておいてね、と言われて終了しました。

2週目から急に体調ダウン!

Image by aldineiderios from Pixabay

2週目に入ると、急に体がだるくなってきました。

しかも日一日と、どんどん疲労感が増していきます。

駐車スペースに車を停めてから、病院までの道のりをノロノロ足を引きずるようにして歩く始末。

「これが副作用か…!」と、最初の元気っぷりが信じられないだるさでした。

3週目は生けるゾンビ状態…

3週目になると、週末に休んでも全然回復しない状態になっていました。

病院通いがしんどすぎて、終了までの日にちを指折り数えて待つ心境です。

こんな状態なのに、何度か「今日はブースターを加えますね」なんて技師さんに言われる日がありましたΣ(・ω・ノ)ノ!

いつも笑顔の優しい技師さん達が、鬼に見えましたね…。

ある時は待合室でぼーっとしてしまい、名前を呼ばれても気がつかなかったということもありました。

技師さんがそばまで来てくれて、「おいおい、お前だよ〜」と笑われて、やっと気づいた感じです(;´∀`)。

最終日はまたコンサルタントさんとお話をして、終了。

終わった時は、ほんとに嬉しかったです!

放射線治療の副作用と後遺症まとめ

抗がん剤を使う化学療法(chemotherapy、キーモセラピー)に比べたら、放射線治療の副作用なんて軽いもの。

それなのにグダグダ言うのは恥ずかしいのですが、参考までに泣き言を並べておきます(^^;)。

※以下はあくまで私の場合です。人によって個人差があります。

【副作用】

  • 後半に向かって、どんどんひどくなる倦怠感
  • なぜか生姜を食べたくなる(笑)

2番目は副作用ではありませんが、なかなか強烈な印象が残ったので書いてみました。

倦怠感が増すほどに、なぜか生姜を食べたくて仕方がなくなっていったのです。

頭の中は毎日「生姜買っていかなきゃ!生姜食べたい!」と生姜でいっぱい(笑)。

そのため、生姜湯や梅醤番茶などを作って飲んだり、刻み生姜を料理にたくさん入れたりしていました。

生姜は免疫力を上げる効果があると聞きますし、放射線のダメージに対抗するために体が求めていたのかな?と勝手に思っていますが、どうなんでしょうね??他にもこんな人、いるのかな?

Image by gate74 from Pixabay

【後遺症】

  • 終了後、照射部分が日焼けのように黒くなった(治療後数ヶ月そのまま)
  • 乳頭がかぶれたようになり、痛んだ
  • 治療後もだるさが1ヶ月ほど続いた

後遺症の中で大変だったのは、2番目の件。

放射線が当たる部分は軽いやけどに近い状態になるらしく、水ぶくれがつぶれたようになりました(´+ω+`)イタタタタ。

下着が擦れると痛むため、コットンなどをあてていましたが、分泌液が乾くと張りついて余計痛いことに…!

そこで、湿潤療法というんですか、ラップをつけて保護しました。今は乾燥させない絆創膏もあるので、そういうのでも良いだろうと思います。

でもラップでも痛みが和らいで良かったです!安上がりだし(笑)!

ほんとにひどい時は、ちょっとだけ市販のステロイド剤も塗りました。

次第に治っていったので良かったのですが、1ヶ月くらい倦怠感がとれないのにはちょっと不安になりました。

私の場合、ホルモン剤のタモキシフェンも飲み始めていたので、それの副作用もあったかもしれません。

タモキシフェンを飲み始めてから2〜3ヶ月は、妙にぼーっとする日が多かった気がします。

治療中に大変だったこと

Image by Gerd Altmann from Pixabay

副作用以外に治療中に大変だったのは、やはり平日毎日通うこと。

私は外でお仕事をしていないため、時間のやりくりは楽でした。

しかし、時々病院の都合で当日に時間変更があり、急きょ病院に向かわなければならなかったことがありました。

しかも、変更の連絡が忘れられていたことが2回ほど!

一度は、まだ予約時間まで間があるからと、用事を済ませようと外出していた時に電話がかかってきました。

「時間変更になってたのを伝えるのが漏れていて…。今からすぐ来られる?」なんて言われて大慌て。

できるだけ急いで病院へ行って、何とか治療を受けられましたが、こういうことがあると結構疲れますね…。

またある時は、病院の機械の調子が悪く、ブースター照射ができないため、隣のエリアの病院に行くことになりました

行ったことのない場所へ運転していったため途中で迷ってしまい(これは私がおっちょこちょいなだけですが…)、余計に疲れてしまって…。

でも、到着して病院に入った時、遠くから私の名前を呼ぶ声が聞こえました。

見るとそこにはなじみの技師さんが!

どうやら2つの病院を掛け持ちしていたようです。

心細く、疲れ切っていた私ですが、思わずブンブン手を振って彼に駆け寄ってしまいました!

「君のことだから、迷ってんじゃないかな〜と思って出てきてみたんだよ」と笑ってくれ、ほんとにホッとしたのを覚えています。

(↑先に書いた’名前を呼ばれて気づかなかった’時の技師さんでした^^;)

こういう時って、小さな親切が本当に心に沁みますね…(泣)。

治療を終えて

Image by TanteTati from Pixabay

いろいろと大変なことも多かった放射線治療ですが、無事に終了。

治療中は、病院の受付のお姉さんたちや放射線技師さんたちが、いつも笑顔で優しくしてくださったのが支えになりました。

NHSのスタッフには、感謝しかありません。

家のことなど、だるさがキツイ時はかなり手を抜きましたが、協力してくれた子どもたちにも感謝です。

また、NHSでの治療なので、一切費用がかからなかったのも本当に助かりました。

それどころか、がん患者は薬代(処方箋)も無料!

かかった費用は、病院へ行く際の駐車料金とガソリン代くらい。

日本では、がんになると経済面でも打撃が大きいと聞きます(アメリカはもっと大変でしょうが…><)。

特に乳がん発症者が一番多い年代(40代後半〜50代なかばが多いそうです)の私達は、子供の進学などでお金がかかったり、家のローンがあったりと、まだまだ物入りな時期。

ただでさえ手術や治療で仕事ができなくなるのに、医療費も払うなんて、考えただけで気が遠くなりそうです…。

海外でがんになり、精神的・体力的には大変なことも多かったですが、経済的には心底「イギリスにいて助かった…!」と思っています。

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